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Friday Column

No.127

『ほろ酔い日本地図』

さぁ、今週は楽しいオトナの遊びの提案です。これまで表立って発表することはほとんどありませんでしたが、何を隠そうこの私、音楽家・イメージ料理人・インチキカメラマンとは別に、実はもうひとつ“ゲーム・プランナー”という顔を持ってまして、これまでに『100マス野球盤』『意味なし尻取り』『首都当てジェスチャー』『スペアボウル』と数々の独自の遊びを考案してきました。先日のコラムNo.120に書きました『テーマ茶屋』もある意味そのひとつです。

そんな中、今回は最も手軽にお楽しみいただけるオトナの遊び『ほろ酔い日本地図』を皆さまに提案します。用意するものは、白い紙と筆記用具、それにお好みのアルコールドリンクを適量、これだけです。

遊び方は、気の合う仲間との飲み会・食事会で、適当にお酒も入りいい感じにゆるい雰囲気になった頃に、白い紙に“日本列島”を描き、47都道府県に分割する、というそれだけの遊びです。「なにそれ?」って感じでしょうが、これが楽しいんですよ、個性的な日本地図がいろいろでてきますから。唯一のルールは“無言で描く”それだけです。描いてる途中で、「奈良ってどこだっけ」とか「仙台って県じゃないよね」などの会話をすると、「あ、そうだ奈良忘れてた」とか「それは宮城だよ」などと、互いに正解を調整し合い、結果的に地図の個性を削ることになってしまうとつまんないからです。

この遊びを考案したのは、もう12〜3年前、中目黒のオトナのバーで友人と飲んでいた時に、適当に酔っぱらってたんでどういう流れでそうなったかはよく憶えてませんが、「じゃぁ47都道府県、全部言えんのか」みたいな話になり、「じゃ、地図描こうよ、地図」となって、白い紙にボールペンで日本地図を描いたところ、もうヨレヨレのビロンビロンの日本列島でね、都道府県なんて30も出て来ませんで、「あぁぁ、オレは何年この国に住んでるんだ、いったいオレはなに人なんだぁ」と落ち込み慰め合ったのが始まりです。首都東京で暮らしどこかで意味もなく奢り昂っていた自己を省みて、その無知さを認識し、その後の社会生活を謙虚な気持ちで仕切り直す、これがこの遊び『ほろ酔い日本地図』の素晴らしさです。

そんな『ほろ酔い日本地図』を先々週、久しぶりにやりました。毎週通いの札幌STVラジオで『KANのロックボンソワ』収録後、その日の夕食は久しぶりにお寿司でした。木村さん、高岡さんとカウンター席に並び、御主人が握るお寿司を一貫一貫味わいます。御主人は握りを出す度に「松前のイカです」とか「カンパチ、これは長崎ですね」とか、ネタの呼び名と獲れた海を教えてくれます。そんなうちに自然と「玄界灘ってどこだっけ」とか「茨城って海あるよね」みたいな話になり、“そうだ久しぶりにあれやろうか”と思い出しちゃったわけです。

お寿司はいい具合にひととおり食べて、この時点での酒量は、木村さんが生ビールを3杯、私と高岡さんとで白ワインのボトルをそろそろ飲み切ろうか、という感じです。この状態で『ほろ酔い日本地図』です。お店の人にメモ用紙をもらって、「しゃべっちゃダメですよ」と忠告しながらそれぞれの日本地図を描きます。その日はたまたま他のお客さんはいなかったもんですから、「御主人もやりませんか」と言うと「えぇ、私もですか? いやぁ〜プレッシャーだなぁ」とかなんとかいいながら描き始めました。で、できあがった日本地図がこれです。↓


御主人(小林さん)の日本列島

木村さんの日本列島


高岡さんの日本列島

御主人(小林さん)の地図は、能登半島の向きと桜島の位置がそっちだったっけという疑問はあるものの、全体的にまとまりのいい日本列島、さすがお寿司屋さんです。しかし認識都道府県数は41でした。木村さんはどうでしょう。列島全体の形は誰でも日本と認識できるものですが、本州のほとんどの県が丸い形をしているのは性格に起因する描写なのでしょうか。本州中央部の広い空白地帯は何かと聞くと、“アメリカの領土”だそうです。考え方によってはそれもまたひとつの真理なのかもしれません。北方領土がさらっと描かれているのはステキですが、九州南端の“虫”と書かれた県は気になります。認識都道府県数は36。高岡さんは女性らしい柔らかなラインの日本列島。渡島半島・函館辺りの形状は何か言いたげで趣があり、ゾウリムシ型の四国、それじゃハッピーターンだよ的な九州に明らかにあとから思い出して付け加えられた長崎県が印象的です。新潟も思い出し付け加え県と考えられますが、ちょっとちんぽっぽい形状の石川県は海岸線を描く最初の段階からはっきりイメージされていたものでしょう。京都・和歌山の配置も独創的ですが、東京と大阪に挟まれた千葉県、海のない愛知県、というのもかなり画期的です。認識都道府県数は37。で、私の日本地図。本州を描いてたら場所が足んなくなって、九州は裏面に描きました。

 

私の日本列島

各県の面積的バランスはおおめに見てもらうとして、ね、ほぼ完璧でしょう。佐渡島・若狭湾・淡路島はもちろん、島根県の宍道湖・隠岐の島、九州は志賀島・桜島も描写しています。反省点は福島に海がなくなっちゃったことと、鳥取を取鳥と書いちゃってたところくらいでしょうか。だって私の場合は、仕事でかれこれ20年間全国各地あっちこっち行ってますから、しかもこの『ほろ酔い日本地図』の考案者ですから、よく出来すぎでかえっておもしろみがないでしょう。・・・と余裕で認識都道府県を数えてみたら45。たいへんに申し訳ないことに、岐阜と山梨を描き落としてました。どおりで長野が妙に広かったわけです。岐阜県・山梨県の皆さま、ほんとにごめんなちゃい。ちょっとほろ酔い状態だったもんで、うっかり抜けちゃいました。これからは常に岐阜と山梨のことを意識しながらお酒を飲むようにします。

どうですか、おもしろいでしょう『ほろ酔い日本地図』。是非一度お試しください。ちょっと飲んだあたりの“ほろ酔い”状態がポイントですからね。そういう意味でオトナの遊びです。

そんな日本地図が納得いかなかったのか、生ビールを追加した木村さんが「じゃぁ、ヨーロッパやろうよ」と言い出しました。「ちょっとちょっと、ぼくを誰だと思ってるんですか」ってことで、今度は『ほろ酔いヨーロッパ』です。


私のヨーロッパ

高岡さんのヨーロッパ


御主人(小林さん)のヨーロッパ

木村さんのヨーロッパ

私はもう、2年5ヶ月パリに住んでましたから、このくらいは描けないとダメです。しかし、オーストリアが抜けてるのは大きなミスですし、やはり中欧南部など行ったことのない地域は描けませんでした。高岡さんは今回も女性らしい柔らかいラインのヨーロッパです。しかし、構成国とその位置関係はいわゆるひとつのちんぷんかんぷんと言わざるを得ないでしょう。石川県同様にちんぽっぽい形状のイタリアが強く印象に残ります。御主人(小林さん)は、西欧の位置関係は現実的ですが、なぜか北に向かって伸びるスカンジナビア半島3国をノルウェーが統治してしまったようです。ドイツとウクライナにはさまれたチェチェン、その下に横たわるアゼルバイジャンなど、かなり独創的な職人肌のヨーロッパ感がうかがえます。木村さんのヨーロッパにもアゼルバイジャン、チェチェンが自由な位置関係で存在してますが、大きな地殻変動を起こしたのかスカンジナビア半島はロシアにくっつき、地中海は海ごとイスラエルとなり、モナコ公国はアフリカ大陸に移転しちゃったようです。御主人・木村さんともにイラン・イラク・クウェートを描いているところも印象的です。

自分で言い出したヨーロッパ地図に嫌気がさしてきたのか、逆に盛り上がってきたのかはわかりませんが、さらにもう一杯生ビールを追加した木村さんは「じゃぁ、札幌の区、描こうよ」と思いっきり地元ネタを持ち出してきました。ってことで最後は『ほろ酔い札幌行政区』です。


木村さんの札幌

私の札幌
 

御主人(小林さん)の札幌

高岡さんの札幌

これはどうやら木村さんのが最も現実っぽい雰囲気ですね。バランスよくまとまった区の位置関係がなんだかリアルです。私もなんやかんやでそろそろ延べ19年(正味16年)毎週札幌に通ってるわけですから、10区くらいはさらっと描けますよ。大倉山を意識して中央区が西に伸びています。しかしどうやら東区の位置を大きく勘違いしていたようです。よぉく考えれば1滴も飲んでるわけない御主人(小林さん)はもうほんとにつきあってらんなくなってきたのか、南が上・北が下の地図だったので逆さに掲載しますが、なにげに清田区はないものとされてしまいました。で、出ました、高岡さん。釧路出身で札幌ももう結構長いはずなんですが、どうなんでしょう。もうなんだかポップなマップアート的雰囲気が全体に漂っています。そんな彼女の作風を象徴するかのように、ちんぽっぽい小樽が石狩湾にビヨ〜ンと飛び出しています。

そう、このポップなアート感こそがこの遊びの醍醐味です。地理のテストじゃないんですから、出版されている地図を見て正解を競う必要などありません。独自の感性で互いの世界観を覗き見し合う、これは極めて芸術的な遊びなんですね。みなさんも『ほろ酔い日本地図』是非一度お試しください。楽しいですよ、酔ってればですけどね。

2007/10/19



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