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Friday Column

No.128

『2017年のプロ野球について考えた』

さぁ、だんだん寒くなって秋らしいイイ季節になってきましたが、皆さまいかがお過ゴシップ記事。この『金曜コラム』を日常的にお楽しみいただいているハイセンスな皆さまの中には、なんとなく季節の話題から入るときは「はぁ〜、また書くことねぇんだな、今週」とイジワルな見方をしてらっしゃる方も多いことでしょうが、それはそれでひとつの大正解です。しかしそんな時でもどうにかネタを見つけてムリヤリにでも話を展開する、それが私であり、それこそが『金曜コラム』なのです。なんかないかなんないか、あった、ありました。

そう、日本シリーズです。明日からじゃないですか、中日−日ハム戦。ここ数年はすっかりプロ野球を見なくなっちゃったもんですから、特に興味はないっちゃないんですが、でも今年ばかりは巨人とソフトバンクの日本シリーズ見たかったですね。

小さい頃は地元福岡の西鉄ライオンズファンでしたが、77年に王さんが本塁打世界記録を打って、王さんの特集番組を見て以降ばっちり王ファン→巨人ファンになった私です。そんな王監督の身体のことを考えると、もしかすると今年が最後かもしれないじゃないですか。そんな今年ジャイアンツも5年ぶりにリーグ優勝したわけですから。まぁ、今年のホークスは3位だったんでしょうがないんですが。しかし王監督率いるホークスは、04年・05年とリーグ優勝しておきながら、クライマックスシリーズなるプレーオフで敗れるという、なんとも納得のいかない経験をしているわけで、だいたいあのクライマックスシリーズって制度には、私はどうにも賛成できませんね。年間130何試合もやっておきながら、その後にほんの3〜4試合で最終順位を決めるというのは誰がどうみてもおかしいでしょう。いや、わかりますよ、リーグ優勝チームがそのまま日本シリーズ出場という従来の制度であれば、リーグ優勝が絶望になった順に観客動員はぐっと減りますから、“とりあえず3位に入れば”という望みで動員をひっぱり続け、さらにクライマックスシリーズにつなげるというシステム、“興業的”には大成功だったのでしょう。わかりますよ。その実績が結果としてちゃんと出ているわけですから人気減少中のセ・リーグだって背に腹は替えられずクライマックス制度導入せざるを得なかったわけです。

“興業的”にはわかります。でもね、“スポーツ”としてはどうでしょうか。これをクイズ番組に例えると、10点・20点単位の問題を10問ほどやって、1位は90点、2位は70点、3位は50点だとします。そして「さて最後の問題はスーパークライマックスチャンス、正解するとなんと得点は100点で〜す!」みたいな話ですよ。えぇぇぇぇぇ〜でしょう。サッカーのPK戦より納得いきません。そんな“スポーツ”としてはかなりナンセンスなシステムで日本シリーズ出場権を2年連続で逸したにもかかわらず、決してそのことについて否定的なコメントをしない王監督は真のスポーツマンです。まぁ、あまり文句っぽい話題を長引かせてもしょうがないですし、もともと今週はこれといったコラムテーマがないまま書き進んでるもんですから、ちょっと話の方向を変えます。

ここまでの文章を書くのに、プロ野球のことをネットでいろいろ調べていて、もうすっかり球団の名前が変わってることに改めて気づきました。私が少年野球に熱中し、しょっちゅう平和台球場に観戦にいっていた1970年頃の12球団名を振り返って並べて、ついでにその親会社がなんだったのかってのを調べてみたところこんな感じでした。掲載順はなんとなくですので気にしないでください。↓

■1970年
  セ・リーグパ・リーグ
  読売 ジャイアンツ (新聞)西鉄 ライオンズ (鉄道)
  中日 ドラゴンズ (新聞)南海 ホークス (鉄道)
  阪神 タイガース (鉄道)阪急 ブレーブス (鉄道)
  広島東洋 カープ (自動車)近鉄 バッファローズ (鉄道)
  ヤクルト アトムズ (食品)ロッテ オリオンズ (食品)
  大洋 ホエールズ (食品)東映 フライヤーズ (映画)

時代を象徴しているかのように、12球団中なんと5球団が“鉄道系”です。『ヤクルト』も65年までは『国鉄 スワローズ』でした。映画会社が球団を持っていたというのも昭和を感じます。『ロッテ』も63年までは“大怪獣ガメラ”でおなじみの映画会社「大映」と「毎日」新聞で『大毎 オリオンズ』でした。

現在と見比べてみましょう。↓
■2007年
  セ・リーグパ・リーグ
  読売 ジャイアンツ (新聞)西武 ライオンズ (鉄道)
  中日 ドラゴンズ (新聞)福岡ソフトバンク ホークス (IT)
  阪神 タイガース (鉄道)オリックス バッファローズ (金融)
  広島東洋 カープ (独立・自動車)千葉ロッテ マリーンズ (食品)
  東京ヤクルト スワローズ (食品)北海道日本ハム ファイターズ (食品)
  横浜 ベイスターズ (TBS)楽天東北 ゴールデンイーグルス (IT)

セ・リーグの1球団に対し、パ・リーグは『ロッテ』を除く5球団もの親会社が変わっています。71年、新聞に載った“西鉄身売り”という文字に、決して親に知れてはいけないようなインビな響きを感じ取って兄と二人でニヤニヤしたことを思い出しました。『西鉄 ライオンズ』はこのあと『太平洋クラブ』→『クラウンライター』と身売りを繰り返して親会社が変わるものの万年最下位で、地元の少年ファンもいいかげんイヤになっていた77年に王さんが世界記録を打ち、私はコロッとジャイアンツファンになり、翌78年、ライオンズは『西武ライオンズ』として福岡を離れて本拠を埼玉に移しました。

ちょっと話が逸れてしまいました、もう一度上の球団名を見てください。新聞系の読売・中日、自動車系の広島はかわらず健在、食品系は若干入れ替わってますが3球団あります。しかし、70年には5球団あった“鉄道系”は2球団に減り、新たに参入したのがIT系2球団、放送局・金融系がそれぞれ1球団。プロ野球が国民的人気スポーツだった70年代と現在とでは、その意味合いはちょっと違うのかもしれませんが、これも昨今の時代を何かしら反映しているような気がします。70年当時は『広島』だけだった、頭に地名が入る球団名が7つもあります。メディアに頼らず地域密着という基本に立ち返ったのでしょう。

ジャイアンツ戦をとうとう地上波で放送しなくなってしまったプロ野球界の球団構成は、今後どのように変わって行くのでしょうか。そんな感じで例えば10年後の素数年、2017年の12球団はどうなっているか、と考えてみました。先に言っときますけど、ギャグですからね。↓

■2017年
  セ・リーグ
  読売 ジャイアンツ (新聞)
  トヨタSANKYO中日 ドラゴンフィーバーズ (自動車・新聞・パチンコ)
  阪神吉本 爆笑タイガース (鉄道・芸能)
  大塚ヤクルト ポカリスウェローズ (食品2社)
  JP ポストマンズ (郵政)
  ライブドア ロッポンギスターズ (TBS・IT)

まずはセ・リーグ、上から説明します。/「我が巨人軍は永久に不滅です!」と長嶋茂雄さんが言ったんですから巨人軍は永久に不滅です。/落合監督のもと黄金時代っぽくなってきた『中日』には東海地区の大地主『トヨタ』と、この数年で俄然急成長した名古屋発祥のパチンコ業界再大手『SANKYO』の資金がググッと乗っかってきました。球団名が長いってことで『トサンチュ・フィーバーズ』と略して呼ばれています。/『巨人軍』が永久に不滅である以上、『阪神』だって何がなんでも不滅球団でなければなりません。だから吉本興業の力を借ります。お笑いとプロ野球をウマいこと合体させて地上波テレビに復活した野球中継では、攻守交代の度に芸人さんがネタ披露、関西地区で連日記録的な視聴率を叩き出し、もうすぐ全国放送です。/健康志向の食品大手2社が親会社となった『大塚ヤクルト』は、ヘルシーイメージ戦略が功を奏して女性ファンが急増。『ポカリスウェローズ』というネイミングも偶然とは思えないウィットに富んでいます。/民営化されたから何やってもいいんだもんねってことで、たがの外れた“日本郵政”が突如参入。すべての郵便物の消印を球団のロゴマークにすることで宣伝費のかからない大宣伝を展開します。/もうなんだかわけわかんなくなっちゃったTBSは“球界再編!”ってことで、一時乗っ取られそうになった楽天にあてつけるように、ホリエモンの奇跡の復活を手助けしました。横浜スタジアムのある横浜公園には、6棟の高層“森ビル”が球場を囲むように建ち、“横浜ロッポンギヒルズ”と名付けられ、成功したIT富裕層はオフィスからマンションから、試合やコンサートや花火大会を見下ろします。

■2017年
  パ・リーグ
  西武ヨドバシ エレクトリックライオンズ (鉄道・量販店)
  福岡ソフトバンク ホークス (IT)
  アデランス ブラックブラックス (カツラ)
  ロッテサムスン アンニョンマリーンズ (食品・家電)
  日本生ハム ファイターズ (食品)
  JT スモーカーズ (たばこ)

さて、パ・リーグはどうでしょう。西武線沿線に大量出店を企て参入したヨドバシカメラの目論みが果たして成功するのかは疑問ですが、『エレクトリックライオンズ』ってのは個人的に結構好きです。/孫さんの堅実な経営で『ソフトバンク』は安定しています。城島が監督やってます。/まさかの球界参入は『アデランス』。気がつきゃテレビのCMは金融とパチンコと男性カツラばかりになったこの時代としては当然なのかもしれません。人気選手が次々とカミングアウト的にCM出演、逆に世間の信頼を得て予想外の人気球団に急成長します。/韓国の大手家電メーカー『サムスン』が『ロッテ』と手を組み日本のプロ野球界に乗り込んできました。始球式には往年の韓流スターが続々来日登場し、マリンスタジアムは全国から観光バスで集合する第2世代の韓流マダムで超満員です。/この頃には“生ハム”が常識的な“ハム”という位置づけになり、従来のハムは昔の魚肉ソーセージのような扱いを受けるようになったもんですから、思い切って社名ごとを変更しちゃった『日本生ハム ファイターズ』。北海道産のチーズとの相性はバッチリ。/もう“たばこ吸う奴は犯罪者”みたいな世の中になっちゃったもんですから、こうなりゃJTだってやぶれかぶれです。「JPが野球やるんだったら俺たちだってやってやらぁ。民営化だったらこっちのほうが20年も先行ってんだよ」ってことで球界参入。全席喫煙OKのスタジアムには、吸い場所を亡くした喫煙者が連日集い、試合中の球場上空はナイター照明に照らされた煙で真っ白に。アメリカの衛星が撮らえた写真がCNNで世界中に配信され物議を醸し出しています。しかし根強い喫煙ファンによって、チームの成績・平日週末を問わず安定した動員を記録します。

どうですか、スゴイでしょう。スゴイってのは2017年の野球のことじゃなくて、書くことないとこからムリヤリここまで書き上げた私がスゴイでしょう、ってことなんですけど。今回は自分でも書いてて結構盛り上がりました。でも、野球知らん人には“ハテナ?”ですかね、やっぱり。

さて、何の脈拍もなく、久しぶりにクイズでエンディングです。

問題:私は明日、昼から夜までイタリア語をしゃべらなければならないたいへんな日です。
       それはなぜでしょうか? 次の3つから選びなさい。

  1. イタリア小留学時代の語学学校の先生が来日するので、鎌倉を案内する。
  2. どこからそうなったのかわかりませんが、日本のミュージシャンを題材にしたイタリア映画にちょい役で出演する。その撮影。
  3. 日本イタリア文化会館で行われる“イタリア留学フェア”なるものに、イタリア留学経験者としてゲスト出演依頼を受け、イタリア語でスピーチをする。

正解は来週の金曜コラムで。

2007/10/26



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