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Friday Column

No.354

『【ある意味・逆に・ある反面】を振りかぶって その1』

先日終了しましたBAND LIVE TOUR 2012【ある意味・逆に・ある反面】、観に来ていただけた皆さま、改めて、ありがとうございました。今週から3週にわたり、その選曲・内容についていろいろと書いていこうと思います。ライブを観ていただいた皆さまは、「はぁ〜、そういうことだったのね」と反芻していただき、また、そうでない方は「へぇ〜、そうだったんだぁ」と、写真を見ながらイメージしてみてください。いずれにせよ、後にLIVE DVDがリリースされた際には、その解説として再びお読みいただければと思います。

なにしろ、前回2010年のツアー【ルックスだけでひっぱって】が、6名の素晴らしいシークレットゲストの皆さまの魅力に思いっきり頼った内容だっただけに、「KANのライブは真におもしろいのか?」と、ちんこを吸われる、ではなくて、真価が問われるであろう今回は、特別なプレッシャーのなかで作りました。

2010年秋に、過去のアルバムのリマスタリング盤が再発売されたこともあり、今ツアーは、過去15枚すべてのアルバムから最低1曲ずつ選曲するということを、まず、決めました。そして、過去から長く応援してくださっている皆さまにとっては、「きゃぁ、久しぶり〜」とか「うわぁ、これやると思わなかったぁ!」的な曲が複数あるほうが楽しいであろうということは、私も人のコンサートを見て思うところです。また、今回初めて私のライブを観ていただくという方も多くいらっしゃるであろうことも考え合わせると、選曲は例年よりも更にパズル性が高くなりましたが、結果、そのパズルは、まぁ、なかなかうまい具合にカタチになったのではないかと思っています。

今週は、まず前半9曲の選曲・内容について書いていきます。演奏曲目を別ウィンドウで開いて、お読みください。


「男も女も、いっくら歳とっても、やっぱ人間、かわいくなきゃ」という人生の基本的な考え方とは別に、「やっぱ、ライブはカッコヨクなきゃでしょう」という考えもあり、そんなとこからの「カッコイイ衣装で、カッコイイ髪型で、カッコつける」という漠然としたイメージ。そして、「カッコイイやつはダラダラしゃべらない」という法則から、冒頭9曲はノンストップでの演奏です。また、この9曲でワンステージ完結、ということもイメージしながら構成しました。


カッコイイのイメージ

01. NO-NO-YESMAN
93年のツアー以来、実に19年ぶりぶりの選曲。リハーサル時に、何度やってもイマイチ演奏意識の到達点がひとつにならないことから、「この曲は、Duran Duran なんですよ!」と言うと、メンバーは「えぇ!? デュランなの?」「知らなかった」「ど・・、どこが?」という感じにはなりましたが、「とにかくDuran Duranなんですよ、いいですね!」ということで演奏を繰り返すうちに、なんとなくまとまってきたような気がします。そのことをお客さまにきっちり提示する意味で、Aメロ部分にDuran Duranの『The Reflex』のギターカッティングフレーズをコラージュしながら、私はSimon Le Bon、ベースの西嶋さんは John Taylor、ギターのセンパイはAndy Taylorというイメージで演奏しました。また、オリジナル音源は同じビートでチャーッっと行ったまま終わってしまうので、ギターソロの小節数を倍にして、後半のテンポを逆倍にすることで変化をつけました。19年ぶりに演ってみましたが、自分で書いた歌詞でありながら、結局なにが言いたいのかサッパリわからない、ということが、今回よぉくわかりましたので、今後また選曲することは相当しばらくないと思います。


サイモン・ル・ボン
 

ジョン・テイラー

02. こっぱみじかい恋
前曲からのテンポを保持しながらよりビート感を増す意味での選曲。元の発想は、Style Councilの2枚目【Our Favourite Shop】の『Wall Comes Tumbling Down !』あたりのイメージでしたが、作曲段階でだんだん変わっていき、出来た頃には、キョンキョンの『あなたに会えてよかった』風におちついた楽曲。今回の私はその着想の原点に戻り、Paul Weller意識で歌唱しました。前曲からの流れを止めずに演奏するために、センパイはストラトキャスターを持ち帰ることなく肩からかけたまま、特製スタンドに固定されたアコースティックギターをかき鳴らしました。ビート感を時により強調するために、短いブレイクを3カ所設けました。


中野豊 (Guitars)

03. 甘海老
99年以来、13年ぶりの選曲。もともとは、92年のMichael Jacksonさんのコンサートを観て衝撃を受け、その後、94年のコンサートで“マイケル・弱小”として踊るためだけに作った楽曲。それを今回は踊らずに演奏するってことで、私と同様にMichael Jacksonさんが大好きであろうと思われるMaroon 5が、Michael Jacksonに影響を受けて作った曲、というイメージでアレンジし直し、ボーカルスタイルはAdam Levine的セクスィーイメージ。踊るべき曲を踊らずの演奏でしたが、ある程度しっかりした作りの楽曲なので、これはこれでアリだったと思います。イントロ導入部と、1コーラス終わりのブリッジ部にMaroon 5のアルバム【ItWon't Be Soon Before Long】の『Makes Me Wonder』のギターカッティングフレーズをコラージュし、2コーラス終わりは【Songs About Jane】の『Tangled』風のブリッジを施して、オルガンソロへとつなぎました。


矢代恒彦 (Keyboards)

04. 死ぬまで君を離さない
これもはっきりおぼえてませんが、かなり久しぶりの選曲。これはHall & Oatesの『So Close』、イントロからAメロのギターのカッティングがそれをよく表しています。基本アレンジはオリジナルと変えていませんが、ピアノ・ストリングス・シンセ類が分厚く重なった音像をひとりで表現しなければならないキーボードの矢代さんは、この曲に限らずたいへんです。とにかくカッコつける歌唱スタイルは、藤井フミヤくんにEXILEのATSUSHIをミックスし、そこにASKAさんフレイバーを加味したイメージ。



05. REGRETS
これは良い曲ですね。前後の曲調の流れから選曲しました。だいたい3年おきぐらいに演奏していて、その都度微妙に変化はありますが、今回はアレンジの変化は特になかったんじゃないかなと思います。意識の置き所は作曲当初から一切ブレることなくBilly Joelさんです。



06. Stylistic
これもStyle Council的なことをやりたくて作った曲。歌詞を自分で書いてないので、思い入れはやや薄いものの、こういう軽めのラテンものは、比較的容易に雰囲気を変えられるので、ライブでは便利です。『香港 SAYONARA』という手もありますが、久しぶり度と、また、こっちのほうが曲調的にカッコつけやすい、という意味でこっちにしました。


清水淳 (Drums)

07. 愛は勝つ
ほとんどのライブで演奏している曲ですが、ここ数年はいろいろやり方を変えています。今回は、弾き語りで始まり、ストリングスが徐々に加わり、間奏からガツンとバンドサウンドに変わるという、去年の【ap bank fes '11】の時に演ったスタイルでの演奏でした。



08. 青春国道202
これまたいつ以来でしょう、十数年ぶりであることは確かだと思います。曲調・歌詞ともに、いろんな意味で“かわいい”楽曲なので、前半9曲のコンセプト外かとも思われましたが、次曲『RED FLAG』でガクッと場面を変える、その前置きという意味では、良い流れだったと思います。



09. RED FLAG 〜一般道路速度超過〜
ライブで演奏していて最も気持ちいい曲のひとつであるだけに、よく選曲している“交通違反ハードロック”の第2弾。前曲から場面を一気にハードなロックイメージに帰る目的で、イントロ導入部分には、Grandmaster Mele Melの作品をDuran Duranがカバーした『White Lines』の冒頭部分をコラージュし、そこから『RED FLAG』へと流れます。もともと、Duran Duran の『The Reflex』、YESの『Owner of a Lonely Heart』、Grand Funk Railroadの『We're an American Band』などのフレーズが随所にコラージュされた楽曲なので、自然な発想でのハリツケでした。過去数回のライブ演奏では、私はこの曲で“Gibson Flying-Y”を持った状態で歌ってましたが、その音を実際に出しているのは、ギターソロ部と歌終わりのリフレインのバッキングのみだったので、今回は、ステージでのパフォーマンスを優先して、ハンドマイクで歌唱し、ギターソロ部直前にギターをかけてもらうという、めんどくさいことをしました。ちなみに、私のギター音のオン/オフは、楽器担当の佐竹くんがステージ袖で操作しています。



という前半ノンストップの9曲でした。

コンピューターが新しくなったので、文章書いたり、写真をリサイズしたりする操作が、これまでと微妙に違ったりしてて、それだけでなく、そんなつもりじゃないのに、画面が勝手にスクロールしたり拡大したりと、なんだよそれ、って感じで、ちょっと時間がかかりましたが、はぁ〜、これで遅延が続いていたこの『金曜コラム』、とりあえず帳尻が合いました。というわけで、来週はライブ中盤を振りかぶって解説したいと思います。

2012/02/24

撮影:山本倫子



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