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Friday Column

No.054

『親子喧華そば』

サイト開設から丸1年が経ち、この「たま金コラム」も気づけばもう50いくつも書いてきたわけで、我ながらよくやってるなぁなんて思ってたりなんかしてますが、でもね、頭のどこかで「だって、これ専門じゃないし、内容にムラがあっても最悪じぇんじぇんつまんなくても別にいいんだもんね」という“逃げ場”的考え方が常にあるもんですからやってこれましたし、これからも続けられる感じです、今んとこ。

熟練の敏腕ディレクターに期待の若手エンジニア、高級コンピューター&マニピュレイターに一流アレンジャー&ミュージシャンという環境の中、作詞作曲編曲歌唱すべてを自分でやる、どっち向いても逃げ場のないアルバムレコーディング、それも終盤の作詞・歌入れ段階にある現在、“逃げ場”ありありの金コラ執筆はとっても健康的に感じられます。

というわけで毎週の出来事、思ったことなどをなんとなく書けばいいっすよね、とやっているわけですが、そんななかにも一応私なりの常識的ルールはありまして、それは「読む人がなんだか気分悪くなりそうなことは書かない」ということ。いや、もちろんそういう姿勢でいますが時に気分を害した方もいらっしゃったとしたらごめんなさいね、でも基本的にはそのような姿勢で書いてます。で、今回のコラムは、途中ちょっとヤな感じになりがちな描写があるかもしれませんが、最終的にはあくまで“イイことだ”と着地するための文章の流れですので、大きな気持ちで読んでいただければ幸いです。

はい、ラーメンの話です。先々週の上海行きの前日、前から一度行ってみたいと思っていながら行けてなかったある中華そばの専門店に行きました。店に入ると煮干しのいい香りが漂っています。メニューは「少なめ・1玉」「普通・1玉半」「大盛り・2玉」、それに玉子やメンマの付加品がいくつかあるのみ。国立大学のすぐそばということもあり満腹感をテーマにしたであろうシンプルなメニュー構成です。「少なめ・1玉」を注文し、脇にあったヤングマガジンかなんかの巻頭の美少女水着グラビアをながめ食欲を煽りながら待っていると、厨房の中からやたらと口論する声が響いてきます。それも今始まった口論ではなく、私が入店する前から継続していたような雰囲気。14時を過ぎていたこともあり、店内にはもうそろそろ食べ終わりそうな先客ひとりと私だけ。「だからぁ、言うとおりにやりゃぁいいんだよ、それをなんだかんだ口答えするから・・」「いちいちうるせぇっつぅの、おれはね・・」と口論は絶えず響き渡ります。・・うぅ〜ん、なんだか居心地わりぃなぁ、この状況でラーメンだされてもなぁ、と思いはじめたところで先客はお勘定。さっと出てきたご主人は明るい笑顔で「はい、850円です。ど〜も、ありがとうございましたぁ〜!」と先客をさわやかに見送りました。しかし、また厨房に入るとさっきの口論の続きです。

グラビアの美少女が個人的に没頭できるタイプではなかったこともあり、この際しょうがないと口論の内容に集中してみると、「だから、5杯注文うけたらぁ、先に麺3つ分入れといてぇ、その時間差で・・」「なんでそこにわざわざ時間差つくんなきゃなんないのかがわかんねぇっつうの・・」・・とどうやらラーメンを作る調理作業工程においての考え方の違いでモメているようだ。しかもどちらもまったく相手の意見を聞き入れようと言う姿勢がない“あぁ言えばこう言う”の状態。経営者と従業員という関係であればこのやりとりはあり得ない、たぶん、いや間違えなく親父と息子の口論だ。息子が家業を継ぐ過渡期なのであろう、そこでラーメンに対する意見を戦わせているのだとすると、それを営業時間中に展開するべきか否かはおいといて、この中華そば専門店の味を守り伝えるためには当然必要な口論なのだ。

・・そうだ、重要なことだ、これならきっと親子の念がこもったおいしい中華そばが出てくるに違いない。そして口論はさらに続く。「だからぁ、5つ一度にいれてみぃ、温度さがっちゃうだろ」「下がらねぇって」「下がるんだよ!」「いっとくけどオレは一度もお客さんからラーメンが遅せぇなんて言われたことねぇよ」「お客さんは、遅せぇって思っても遅せぇとは言わないんだよ」。・・・そうだ、私もそう思っても言わない。事実、私の注文した「少なめ・1玉」はもうとっくに出てきててもいい時間だ、もう他に客はいないし、思えばかなり遅い。でも言わない、ってゆうかこの厨房内親子喧嘩の状況下では私じゃなくてもじぇったい言えないでしょう。・・私の注文、忘れてないだろうなぁ、と不安になってきたころ、御主人(親父さん)が「ハイ!少なめ、お待たせしましたぁ」と明るい笑顔で持ってきました。で、厨房にもどろうとしたがさっと私の方を振り返って「すいませんね、ちょっと討論してるもんで」と。・・いやぁ、ははは・・、そう言うしかないでしょう。でもそれは“討論”ではなく明らかに“口論”で、ってゆうか単なる親子喧嘩ですよ、お父さん。

で「少なめ・1玉」、鶏ガラ豚骨ベースであろう透明で上品な色合いのスープからは煮干しの香りがほんのり、刻みネギがたっぷり、中細のちぢれ麺も適度なコシがあり、昔からまじめに味を守ってきたであろうシンプルで善良な中華そば。グラビアの美少女水着だけをながめた後ならばややしょっぱく感じたかもしれませんが、親子喧嘩の最中に作られただけにそれも“ガツン”とした男気のような味わいに感じられ、うまかったです。

作り手の顔が見えず、精神などチラリとも感じることのできない流行るための方法論にのっとって作られたプロデュース系のラーメン店が氾濫する東京に於いて、長く残ってほしいまじめな中華そば専門店。ぜひ、また食べに来ようと思いました。

今回はこのような、解釈によっては微妙な内容ですので、その店名・所在地などは掲載しませんし、そもそもそんな許諾もとってませんが、しかし、強く興味を抱いた方には是非食べにいってほしいお店ですので、なぞなぞ形式でいきます。

問題:私の本名の名字の漢字二文字のどちらかに、ある一画を追加して
      違う漢字にして、その2文字の順序を入れ替えて訓読みしたのが、
      その店名です。

うぅ〜ん、ちょっと簡単すぎるか・・まぁ、いいや。日本の都道府県を五十音順に並べると10番目にくる県をビッグにした名前の駅から徒歩2、3分。ある国立大学のすぐそばです。

でもね、これを読んでから行くとすると、どうしても親子喧嘩を期待してしまうというか、できれば喧嘩しててほしい、その状況下で食べてみたい、という気持ちになりますよね。で、わざわざ行ったのに喧嘩してなかったらちょっとさみしい、でもほんとに喧嘩しててくれたらカナリうれしいですよね。へんなもんです。私が次に行く時も繁忙時間帯はさけて比較的喧嘩しやすそうな時間を狙って行こうと思ってます、なんでかわかんないですけど。

※今回のなぞなぞの正解は、いつになってもどこにも掲載しません。

2006/05/26


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