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Friday Column

No.004

『逆エッシャー式ジョギング法』

はい、走ってますよ、家の周りを約2km。2月の終わりくらいからですかね、軽いシェイプアップ目的で。パリで暮らした極めて文化的な2年半は音楽家としてとても有意義だったんですが、“東京のタレントさん”としてはあまり緊張感のない生活を送っていたものですから、必然的になんというかこう“緩む?”、決して太ったわけではないんですが、いわゆる“緩む?”なかんじなわけで、3年ぶりにお客さんの前に出るんですから、ちょっとくらいはどうにかせんとねぇ、と思ったのもあり、走ってます。まぁ、いわゆる体脂肪を燃焼させるイメージ、とりあえず前の日食べたラーメンの脂分くらい燃焼してくれれば、くらいの軽いイメージです。そんな発想からなんですが、やっぱり良いことですよね。東京では車に乗ってるんで普段あんまり歩きませんし、続けることによって前より身体か軽くなったというか、グッタリ度がやや軽減された感じがあります。そう、“続ける”ってのが大事なんですよね。もともと好きで走ってるわけはなく“走んなきゃまずいよなぁ”という気持ちでどちらかというといやいや仕方なく走ってるわけですから、朝起きて雨が降ってたら嬉しくてね、“風邪をひいたりしたら大変”という正当な理由でジョギングは中止、もちろん雨が上がった後の振り替えジョギングはありません。とまあそんな感じで基本的には毎日、家の周りを約2kmなんですが、今住んでるところが、中国でいえばビールの有名な青島(チンタオ)、九州でいうとちゃんぽんが有名な長崎、例えばそんな坂道の多い地区なもんですから、走るルートプランがなかなか難しくてですねぇ。最初は上り下りを避けて極力平坦なルートを走って、ある地点で折り返して同じ道を戻る、という2kmだったんですが、なんだかやっぱつまんないというか、道中に並んだ家の表札の順番おぼえちゃったらもうあとはおもしろみがないんですよね。しかしこのルート以外はどうやっても上り下りをさけて通るわけにはいきません。避けられないとしてもやはりできるだけ楽なほうがいい、そう、私の哲学では「人生できるだけ楽なほうがいい」んです。そして何に関しても如何に“できるだけ楽な方法”をあみだすか、も私の人生の大きなテーマであるわけです。しかし楽なほうがいいからといって坂を下っても、かならず同じ分だけ上らないことには家には帰ってこれないことは物理学的にも地理学的にも地質学的にもわかりきっているわけです。しかし「上った印象と下った印象」は必ずしも等しくある必要はありません。上った印象よりも下った印象のほうがはるかに大きいルート作りこそが、坂の多い街に住む私のジョギングを“できるだけ楽”にする大きな課題なのです。
そんな時ふと『エッシャーの階段』が頭に浮かびました。階段を上って上って上って上ったらもとの位置に戻るあの不思議な作品『上昇と下降』。そんなエッシャーの逆の発想で、つまり、坂を下って下って下って来たつもりなのに、あらららら家に戻って来ちゃった、そんな逆エッシャー式のジョギングルートを見つけだせばいいんです。ってことで家の近所のいろんな道を毎日毎日ルートを変えて走ってみてるんですが、いやぁ〜なかなか難しいですね。「下り=楽」というイメージはありますが、勾配の急な下りはかえって膝や腰に妙な負担がかかって走りにくいんです。逆にゆる〜い上りは走ってみるとそれほど苦にならないこともわかりました。現段階は、短距離で急な上りを一気に上ったあとはゆっくりゆっくり下りて行く、というパターンを組み合わせたルート。ある程度の距離をゆる〜く上ったあとゆる〜く下り、一ケ所階段を上ってまたゆる〜く下るルート。そんな二つを中心にルートのマイナーチェンジを繰り返しながら、上り下りのイメージ比率は3:7くらいでしょうか。いつの日か下って下ってあらららら、上り下りのイメージ比率は0:10。そんな完璧な『逆エッシャー式ルート』を完成させるその日まで、私は走り続けます!。エッシャ、ホイシャ、エッシャ、ホイシャ・・・。

(M.C.エッシャーの“上昇と下降”がいまいちピンと来ない方はインターネットで探しちゃって下さい。)
2005/06/10


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