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Friday Column

No.412

『驚愕! リブロース&サーロインの2枚盛り』

ふた月ほど前、甥っ子・光太郎さんが急性の胃か腸のなんらかの病気になって、病院への搬送を請け負ったやさしい叔父さんは私でした。入院中の光太郎さんは大学生だというのにずっ〜と点滴で、「どんな感じ?」とメールを送ると、「あぁ、肉食べたい〜」的なメールを返してきたので、「じゃぁ、今夜のオレはステーキの上にステーキのっけて食っちゃおっかなぁ〜、きゃっは〜っ」なんてイヤミなメールを返したりしたものでした。で、1週間後退院したので、「じゃぁ、ステーキでも食いに行くか」ということで、先月、食いに行くことにしました。

そういや最近ステーキなんて食ってない私ですからイキツケの店もなく、かなり昔に行ったことがある渋谷の【CHACO】というステーキ屋さんをインターネットで検索してみましたが、どうやら閉店してしまったようです。で、他にいろいろ探してはみたんですが、なかなか難しいですね。

ステーキ・ハンバーグなどを看板メニューにするアメリカンダイナー的な店はありますが、どうも“アメリカ”風のものには食欲がわきません。また、ネット上では判断しにくいのですが、この手のやつはファミレスっぽい危険性を孕んでいることも考えられます。あとは、高級鉄板焼きレストランですが、こういうところはまたちょっとめんどうで、前菜・スープ・伊勢海老のなんちゃらみたいなのがあって、やっと最後になんちゃら産の特選和牛ステーキ、みたいなコースになってるものがほとんどで、どちらかというと明らかに少食な私は、肝心のお肉が出て来るころにはもう充分おなかいっぱい胸おっぱいになっちゃってるわけです。かといって、肉だけ単品でたのもうとすると、ばっちりコースと同じくらいの料金だったりして、どうも具合がよくありません。

そう言えば、もう何年も前、当時ベルギー・ブリュクセルに住んでいた甥っ子・光太郎さんはまだ小学生だった頃、彼らの帰国時に妻の家族と一緒に7〜8人で高級鉄板焼屋さんに行った時のこと。みんなはコースを注文しましたが、私は頑固にコースを拒否、サーロインステーキとガーリックライスのみを単独注文しました。みんなが、前菜やスープ・魚料理などを食べている時も、「KANさん、少し召し上がったら?」なんて気遣いの声にも一切動じず、「いえ、ぼくはだいじょぶです、肉を待ってます。」と言いながら、ちびちびと赤ワインを飲んでいました。そしてついになんちゃら産の高級和牛サーロインが鉄板にのせられ、黄金色に香り立つニンニクとともにジュージューと焼かれます。

そして満を持してステーキをガブッ食らうのです。そうそう、この感じです。空っぽの胃袋に、肉の塊がズド〜ンと落ちて胃の中でバウンドする、その感触こそがステーキの魅力であるわけですよ。そして、ガーリックライス、これがまた良いんですね。丁寧に取り除かれたステーキの脂の部分を細かく刻み、さらにガーリックを加えて、鉄板の上で白飯をジャキジャキと炒めるのです。最後にまわりに醤油をたらすと、これがジュワッと焦げてなんとも言えない香りに包まれます。このガーリックライスはコースには含まれず、私独自のオーダーですから、ひゃっひゃっひゃっと高笑いをしながら、ムシャムシャを見せびらかしながら食ってやるのです。

・・・のはずだったんですが、目の前の鉄板の上で金属のヘラで手際よく焼かれるガーリックライスを、「おぉぉぉ」と興味津々にみつめる甥っ子・光太郎さんとそのお姉ちゃん・当時中学生。なにを血迷ったか、コックさんは「少し食べてみますか?」と甥っ子・姪っ子に言い放ち、私が「えぇ、ちょ、ちょっと」と言う間もなく、私が独占するはずだったガーリックライスの約半量を、甥っ子・姪っ子に出してしまいました。

さすがの私もこれには黙っているわけにはいきません。それはイカン、いくらなんでもイカン、とイカンの意を表すのです。いくら食べ盛りの甥っ子・姪っ子とはいえ、いくらベルギーから帰ってきてるとはいえ、そんなことは関係ないですよねぇ。どう考えてもそれは私が独占完食するべきガーリックライスであることは明らかで、そのようなオーダーをして、そこにたどり着くまでの長い時間、私はひとりそれを忍耐強く信じて待ち続けていたことも、コックさんは充分に理解しているはずです。だのに、なぜ、なぜだ、なぜなんだぁぁぁ・・・(エコー)

・・・ということを大きな声で訴えるわけもなく、「それ、ホントはオレんだよ・・」と小さくつぶやきながら、残り少ないお肉を小さく刻んで、残り少ないワインをちびちびすすりながら、半量になったガーリックライスを大事に大事に食べましたよ。

思えばあれからもう10年くらいは経ったんでしょうか。その時の悲しみは未だ消えないとしても、それを根に持って甥っ子に冷たく当たるほど小さな叔父さんではありません。大学生の甥っ子がステーキ食いたいと言うのなら、いくらだって食わしてやろうじゃないですか。

ということで執拗なネット検索の結果、ついにアメリカンダイナー系でもなく、高級鉄板焼きレストランでもない、ステーキだけをど〜んと食べさせてくれる純粋なステーキ屋さんを見つけました。それは東京・千駄ヶ谷の【CHACO あめみや】。屋号に“CHACO”とありますから、私が昔行ったことのある渋谷の【CHACO】が移転したのか、もしくはそこにいた人が開いたお店なのかはわかりませんが、ネットで見る限り、間違いなく私が求めているタイプのステーキ屋さんです。

5月24日(金)、光太郎さんとやってきました【CHACO あめみや】。お店のドアを開けた瞬間、ぶぁ〜んと肉の焼けた匂いに包まれ、「よっしゃよっしゃ、この感じよ」とワクワクします。メニューを見ると、リブロース・サーロイン・ヒレステーキがそれぞれ6オンス・8オンス・10オンスと記されています。

1オンスが約28グラムちょっとってことですから、おおよそ6オンス=170グラム、8オンス=230グラム、10オンス=290グラムです。とりあえずビールを飲みながら店員さんに肉の違いなどについて細かく質問し、さてどうするか、と考えます。

悩んで悩んで私はリブロースを10オンス。私が大学生の時だってステーキっつったら200グラムで充分だったとような気がしますから、もしかすると10オンス=290グラムは、これまでの人生でMAXなステーキかもしれません。しかし、この日は“ステーキを食うのだ!”と数日前から決めて、イメージを調整してきたわけですから、いきますよ、思い切って10オンス。

で、光太郎さんはというと、リブロースにしようかサーロインにしようかグズグズと迷っているようだったので、「両方食っちゃえばいいじゃん」と言うと「いいんすか?」「あぁ、食っちゃってくださいよ!」ということで、リブロースを10オンス、ア〜ンド、サーロインも10オンスの2枚盛りを注文。店員さんも「時々いらっしゃいますよ」と笑顔で対応してくれました。

では、どうぞ、純粋なステーキやさん【CHACOあめみや】の・・・


リブロース ミディアムウェルダン

そして・・・


リブロース&サーロインの2枚盛り ミディアム

お店の照明がかなり暗めだったので写真があまりきれいに撮れてませんが、いやぁぁぁ、うまかったっすよ。私も10オンス、ペロッといきました。国産の赤ワインも思いのほか上質でグッドでした。光太郎さんは鉄板に2枚盛りなんで、付け合わせは別皿。それらすべてを私よりも先にたいらげました。さすが、ベルギー育ちはモノが違います。



そのあとは原宿に行って、32年前、私が大学生の頃アルバイトをしていたお店はもうなくなってましたが、当時飲んでたお店が1軒だけ現存してたので、そこでお酒を飲みました。で、なんかわかんないけど、光太郎さんはこの期におよんで水餃子を食ってました。さすがです。

2013/06/14

・【CHACO あめみや】 http://homepage1.nifty.com/chaco/
・過去の光太郎さんに関するコラム 「No.015」「No.119」「No.392



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