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Friday Column

No.051

『魅惑のパンチコーラ』

先週、札幌に着いて番組のディレクター木村(キムデレ)さんとラーメンを食べにいく途中、木村さんがなんかのイベント用の景品を買いに行くからちょっとつきあってくれってことで、東区にある卸商店、その名も「東京屋」というところに立ち寄りました。お菓子類や懐かしめの駄菓子類、文房具、ファンシーなグッズなど、ぎゅうぎゅうに積み並べられた店内を意味もなく探検気分で見て回っていたところ、おぉぉ〜、懐かしいものをみつけてしまいました、『パンチコーラSP』。

タブレットを水に入れると、じゅわじゅわ泡が出て溶け出し、あげくコーラになる、製品ジャンルは「固形清涼飲料」というものですが、これを水に溶かさず、あえて直で口に入れてじゅわじゅわやってたのはもう26〜7年前、高校生の時です。学校のすぐ前にあった駄菓子屋さん、通称“じじばば”(正式な店名は忘れました)で買っては、口の中でじゅわじゅわじゅわじゅわ後から後から湧き出るコーラ泡の重圧を授業中ひそかに楽しんでいたものでした。

よし、買おう。と思いましたが、いかんせん卸商店、購入可能な最低単位は“箱”=40個入り、ざっと1学級分です。いくらなんでも40個はなぁ。でも久しぶりに出会っちゃった以上無視するわけにはいかず、しかしバラ売りは無し。まぁいいか、とりあえず買ってSTVで配って、あとは“にわか梅ブーム”(No.048参照)がさっさと終わったレコーディングスタジオに持っていけば適当にハケるだろう、・・・と思ったのが大誤算、これが各地で大不評。懐かしい駄菓子をわざわざ買ってきて勧めているにも関わらず、小袋を手にした時点で、皆一様に「うわっ、なにコレ・・」。で、口に入れて30秒もすると「うわっ、う、わっ、うわぁぁぁ」と後から後からじゅわじゅわ湧き出る泡をどう処理していいかわからずうろたえます。「なんだぁ。この食いもん」「そう、それがいいんですよぉ〜」「おかしいんじゃないのぉ?」「ええ、おかしいんですよ、ひゃっひゃっひゃっ」とそんな感じです。その様子を見ていた周りの人たちはすすす〜っと無言で遠ざかっていきます。そういうわけでこの『パンチコーラ』、スタジオに持ち込んでいろんなミュージシャンに勧めてもじぇんじぇんハケずにブリ残り。私としてはこの執拗な口中発泡が楽しくて好きなんですが、それでも1日に2個食べようとは思いませんからね。

こうして書いているとなんだかこの商品イメージを結果的にブリ下げしているんじゃないかと懸念されましたので、製造者の姿勢を確認しようとインターネットで検索すると、ありました『松山製菓株式会社』。製品案内ページで『パンチコーラSP』の説明を読むと、「2粒を水に溶かすとシュワーっとコーラになります。コーラに溶かしてもよいです。そのまま口にいれると???」です。この???、どうやら消費者が直で口に入れた時の口中発泡攻撃にうろたえる姿は、製造者の狙いどおり、思う壷のようです。

そして「コーラに溶かしてもよいです。」ってのもスゴい。そんなことこれを読むまで考えもしませんでしたが、だいたい“コーラに固形コーラ”を入れるという行為、それはなんですか。牛乳に「スジャータ」を入れて飲むようなことですか。「午後の紅茶」にリプトンのティーバッグを入れてお客様をおもてなしするようなもんでしょうか。もっと言うとラーメン屋さんでラーメンたのんで出てきたら、そこに隠し持ってきた日清の「チキンラーメン」をぶち込んでフタをして3分待つような、そのくらいの大胆な行為ではないでしょうか。しかもこの“コーラに固形コーラ”を入れることを“おいしい”でも“さわやか”でもなく、“よい”と言い切っています。善悪でいう“善”なのです。うぅぅ〜む、恐るべし昭和25年創立の松山製菓株式会社、さすが名古屋の会社は1枚上だ、アナドレナリン。

まだなにかないかと外箱の記載をくまなく読んでみると、「直射日光にあてないでください」が「DON’T EXPOSE TO THE SUN」と英訳されていました。たとえばそんな曲をTUBEが歌ったら大ヒットするんじゃないか、なんて予感さえさせられるインパクトとスケール感です。また、意訳すると「日焼けするなよ」という意味にもとれないこともない消費者思いのフレーズだ。

箱の側面には飲み方の図解付き和英表記がありました。「パンチコーラ2ヶをコップに入れる/Tear and put in」「水を注ぐ/Add water」。う〜ん、表現が若干ストレートすぎるような気がしますが、意味がわかればよいのでしょう。問題はその次「氷を加える/and ine」。この【ine】という単語、英和辞典を調べても見あたらず、フランス語の辞書にもイタリア語の辞書にも【ine】という独立した単語はありませんでした。これすなわちイギリス人もアメリカ人もフランス人もイタリア人も、もちろん日本人も知らないなにかを“加えろ”と示しているのです。う〜む、冷静に状況判断すると単純に【ice】の誤字ではないか、それを気づきながら敢えて訂正しない松山製菓の男気ではないか。ってゆうか見た瞬間に誤字だとわかっていながら敢えて話を膨らますために一応辞書で確認したりしてまでボケたがっているのが私ではないか、という考え方も無きにしもアラブ。

最後に今回のコラムで最も重要なことをひとつ。周囲に溝をつくりながらも、この『パンチコーラSP』が私をひきつける要因とは何か、と外箱を見つめながら考えていたら、それは簡単にみつかりました。商品名に「パンチラ」という文字が含まれているではないですか。この言葉に誘引されない男性など存在しません。それも「SP=スペシャル」ですよ。そんなサブリミナル・ネーミングも消費者を虜にする上で極めて重要なファクターなのだと改めて確信します。ここまで読んで『パンチコーラSP』に手を伸ばさないようなヒッコミジアンデルタール人は、おとなしくアメリカ式のコカコーラ・ライトでも飲んでいればよいのです。

魅惑のパンチコーラSP

松山製菓株式会社 http://www.mycf.com/
関連商品『シャンペンサイダー』ってのもフランス帰りには魅力。

2006/05/05


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