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Friday Column

No.086

『チンギアーレ!』

新年おけましてあめでとうございます。みなさんはどのようなお正月ですか。私はのんびりしてます。思いおこせば91年以降お正月と言えば97年を除いて必ずどこか海外に行ってます。03、04年の年越し・お正月はパリでした。帰国後は3年連続日本国内でのお正月です。しかし去年はお正月と言っても唐沢年明け12日から『弾き語りばったり #3 新春シャンションショー(×3)』がひかえてたもんですから、年末から年またぎでずっと会社のスタジオで練習してました。だから今年はのんびりです。ほんとのところはやろうと思えばやることが、いや、どっちかっつうと早くやらねばならないことが複数あるにはあるんですが、そこを敢えて意識的にのんびりしようと思えばできないでもないですし、区切りなく仕事し続けるのもなんかすごく良くない感じがしてまして、敢えて意識的にのんびりと母国のお正月を楽しんでいます。

大晦日の夜は鶏そば作って三つ葉を入れて、お隣りの庭になってるゆずを無断でもらって来てぶりぶり搾りながら食べた後、ダウンタウンの『絶対笑っては行けない警察24時』を最初っから最後までず〜っとねっころがって見ました。基本的に全編笑いっぱなしのなか、“ショウヘイヘ〜〜〜イ!”のところは特に残りました。見終わったら年が明けてたので、用意しておいた年賀状代わりのクイズメールをだぁ〜っと友人知人に送信しました。元旦は会社から送ってもらった高級おせちにお雑煮を食べて、夜は『たけしのお笑いウルトラクイズ』をこれもず〜っと最初っから最後まで見てました。やっぱ“人間性クイズ”がダントツにおもしろかったですね。でもって、2日は千葉の奥のほうで高校時代の同級生とゴルフ。いつものように昼メシのことだけ考えながらやってたら、終わってみれば自己ベストスコア、つっても105ですけど。で、これを書いてるのは3日、今夜は甥姪をフランス料理店に連れて行くカッコイイイおじちゃんです。


終わってみれば自己ベスト

という感じで今年最初のコラムを書いているわけですが、のんびり感を出すために敢えて仕事部屋の高級コンピューターでではなく、ソファにねころがったままブック型コンピューターをちょうど股間の上あたりに乗せて、クッションで頭だけちょっと浮かしたかっこうでカシャカシャ書こうと思ったんですが、最初の数分ですごく書きにくいことがわかり、座って書くことにしました。っつったって何を書こうかまだ決まってなかったりしたりシテーヴマックィ〜ン、とりあえず今年はイノシシ年らしいというところからどうにか考えてみます。うぅぅ〜んしかし、だいたい干支、十二支ってこと自体よくわかってないですからねぇ。『亥』って書いて「いのしし」ですしね。外国人に“12シとはなんですか?”と質問されても明確に答えられませんもん。と思ってインターネットで“干支”について調べてみたらうわぁぁぁ〜、めちゃくちゃ難しくて短時間で要点を把握して文章にするなんてのは私には到底無理なものでした。やはり自分の経験の中から自分の言葉で書いていくべきだ、と瞬時に反省させられました。・・・うぅ〜んでもなぁ、山道でイノシシに出くわしたことなんかないし、野原を駆け回るイノシシを遠目にさえ見たこともない。過去にどこかしらの動物園で見たことはあるかもしれませんが、イノシシさんには悪いけど正直じぇんじぇん憶えてません。あ、でもイノシシに関してちょっと知識はありました。

中国・北京語では「猪」という字は「豚」を意味します。なので私の大好きな豚肉は「猪肉/zhu rou」で、中国で食事を注文するときには避けて通れない単語です。でもってこの発音が難しいんです。「肉/rou」は「ロウ」で通じますが、問題は「猪/zhu」。カタカナで表現しようと思ったら「ジュー」「ヅー」「ズー」「チュー」など複数考えられますがそのどれも正解とはいえず、「ジュー」「ヅー」「ズー」「チュー」の4つを同時に発音したような音、というのがいちばん近いかもしれません。せっかくのイノシシ年のお正月なのでやってみてください。ちなみにイノシシは北京語で「野猪/ye zhu」です。日本のように別の動物として区別せず、環境によって豚は猪に、猪は豚になる可能性をお互い持っている、という解釈なのでしょうか。これはある意味、弾き語りとバンドのライブを並行してやる私KANのアーティストとしてのあり方=北京語に於ける「猪」というようなことなのでしょうか。ううう、言っている意味が丸っきりわからないので別の話題を探します。

そうだ思い出した、食べたことはありました、イノシシ。国内では青森のイノシシ料理「ぼたん鍋」が有名ですが、私が食べたのはパリ在住時。フランス・パリでは普段はレストランのメニューにイノシシを見つけることはまずありませんが、秋から冬にかけての“ジビエの季節”(ご興味のある方はコラムNo.024を)になると、イノシシが食べれるお店もあります。03年の秋、ベルギー人の友人・ヨハンと一緒にこのサイトの「世界のレストラン」にも掲載している『Au Bon Accueil』に行った時、メニューに「イノシシ」がありました。ヨハンによると、野生のイノシシの肉はパサパサしていてあまりおいしくないので料理がたいへん難しい。→イノシシをうまく料理できるのは優秀な料理人だけ。→ジビエの季節にイノシシをメニューに載せる店には腕のいい料理人がいる。という話があるそうです。そんな話を聞いて食べました。え?いや、食べてないわ。食べたのは私ではなくてヨハンだったんだ、そうだその時私が食べたのは「雷鳥」でした。そうか、食べてないんだ。ちなみにフランス語でイノシシは「sanglier/サングリエ」、意外と優しい響きです。

書いてるうちに思い出しました。私はイノシシを食べたことが確かにありました。探してみるとちゃんと写真も撮ってました。思えばそれも03年、イタリア・フィレンツェでのこと。イノシシのラグー(細かく切った赤ワイン煮)がトスカーナ地方の隠れた名物料理と知り、食べましたよ「イノシシのタリアッテレ」。うぅ〜ん旨かったんだかどうだったんだかは憶えてませんが、「ふ〜ん、イノシシねぇ〜」という感じだったんでしょう。しかし、名前がひどく気に入りました。イノシシはイタリア語で「cinghiale」、その発音は「チンギアーレ」です。ね、いいでしょう、チンギアーレですよ、チンギアーレ。すっごいイイ響きでしょ、ね、チンギアーレ。ほら、何度も言いたくなりますもん、チンギアーレ。せっかくのイノシシ年のお正月なんですからみんなで連呼しましょうよ、チンギアーレ。

あぁぁ、なんかやっと盛り上がって来ましたね、私だけでも。それでも、いいじゃないですか、だってチンギアーレなんですよ、今年って。流行語大賞でも取っちゃいたくなるようなワクワク感あふれる単語です、チンギアーレ。なんかないですかね、流行語になりそうな使い方。「信じられな〜い!」の代わりに「チンギアレナ〜イ!」なんてどうでしょう。・・ダメですか、弱いですか。じゃぁ、歌ですね、歌作りましょうよ、本来それ私の本業なんですから。イメージはヴィレッヂピープルの『In the NAVY』みたいな明るいディスコサウンドでタイトルはもちろんズバリ『チンギアーレ!』。「チンギアーレ!もっと元気よく〜チンギアーレ!もっと高らかに〜チンギアーレ!チンギアーレ!チンギアーレ!」、手拍子にのって「チンチンチン!ギラギラギン!チンチンギラギラアレアレアー! チンチンチン!ギラギラギン!チンチンギラギラアレアレアー!」を4回繰り返してサビに戻る。どうでしょう。・・・完全にダメですね。じゃぁいいです、もう誰にも相談しません。私は私なりにチンギアーレな2007年にしますからね。

というわけで何の脈拍もないまま2007年もよろしくおね凱旋門。


Tagliatelle al Cinghiale


2007/01/05


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