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Friday Column

No.082

『はからずも富山 episode 1:Black & White

今回は上海ライブへ向かうための札幌→上海直行便機内での執筆、すいててゆったりラッキーです。そんな今回のテーマは富山です。

富山県出身の知り合いはいらっしゃいますか? 私はかろうじてひとり、といっても現在は音信不通ですが。コンサートも93年の夏、複数のアーティストが出演するなんらかの野外イベントでの1度だけ。という47都道府県のなかでもかかわり合いの薄い富山、・・・去年までは。しかしそんな富山を2005年、06年と連続しておとずれる機会があり、それも私自身の意志によるものではなく、はからずも富山をおとずれることになりました。そんななんらかの縁をにわかに感じる富山の奥に秘めた不思議な魅力を、今週来週と2週にわたって書きたいと思います。

2005年の夏は以前から何かとお世話になっている大先輩バンド『スターダスト・レビュー』の野外コンサートのうち4本に隠れゲスト出演のお誘いを受け、富山県射水市太閤山ランドのステージに立ちました。この時が自身12年ぶり2度目の富山。誰が呼んだか“ラーメン刑事”の私としては、富山に行く以上富山のラーメンを食べなければならない、ってことで事前にインターネットで「富山 ラーメン」などと検索してみたところ、なにやら“富山ブラック”というフレーズがいくつも引っ掛かってきました。いろいろ調べてみるとそれは真っ黒なスープの醤油ラーメンで、どうやらまだ全国区にはなっていない富山名物だと書かれたページをいくつか見つけました。ならばその“富山ブラック”を食べないわけにはいきません。しかし、指定された飛行機では会場入り時間までに途中で食事をしているヒマはなし、しかも変更不可の航空券。翌日は午前中の便で東京戻り、帰京後の予定もありこれも変更不可。うぅぅ〜む、コンサートの打ち上げ後の深夜という手もなきにしもアラブではあるものの、深夜のラーメン事情を知らぬ土地で噂の“富山ブラック”を確実に食べれる保証はない。やはりチャンスは空港から会場に入る道中しかありません。これまでの経験から時間どおりに会場入りしても、すぐさま「はい、KANさんサウンドチェックお願いしま〜す」なんてことはあり得ませんし、会場入り後短くても30分、へたすりゃ1時間半くらいはなんとなく時間があまるものです。ってことでスタレビュのコンサート行程を仕切る寺崎くんに入り時間を30分遅らせてもかまいませんかとたずねたところ、「ダメです、お弁当は用意してあります。空港から直で会場入りして下さい」とのこと。ふっ、カタイやつだ。しかし、そんな言葉にあっさり従うようでは“ラーメン刑事”は務まりません。そして私は“ラーメン刑事”である以前に“ミュージシャン”だ。ステージに出て素晴らしい演奏をキッチリやりさええすればそれでいいのだ、それがミュージシャンだ。ステージに出て素晴らしい演奏をするためには満足のいく準備が必要不可欠だ。その不可欠で重要なひとつが私の場合は“食事”なのだ。というなんとも都合のいい解釈を打ち立てました。空港に迎えに来てくれていたイベンターさんが道中寺崎くんに電話で余計なことをしゃべらないように刃物で脅し(イメージ)、事前にインターネットで調べていた会場にできるだけ近くて“富山ブラック”が食べれるお店「麺家いろは」を目指しました。

そんなこんなで目の前に出てきた噂の“富山ブラック”。うぅ〜む、ホントに黒い。たまり醤油かなんかでこの色を出してるとするとこれはかなりしょっぱいぞ、とやや逃げ腰でのひとくち目。お?あまい・・。確かに見た目どおりに味は濃いもののそれほどヘビーな感じはなく、けっこううまい。この風味はなんだっけ、と食べすすむうちに、それは八丁味噌の味ではないか、ということで同食者との意見が一致したものの、今食べているそれはメニュー上では味噌ラーメンではなく醤油ラーメン。うぅぅ〜む、どうあれこの1杯だけで“富山ブラック”を語るにはまだ早いということでとりあえず次のチャンスを待つことにしました。


噂の“富山ブラック”

初の“富山ブラック”をばっちり食べたことで、スタレビュ野外コンサートの隠れゲスト出演は楽しく終了し、夜は郷土料理屋さんでの打ち上げ。ここで初めて目にしたもうひとつの富山名物が“白海老”です。話によるとたいへん小さい海老なのでちょっと前までは網にかかっても商品にならないと判断され、海に戻されてたらしいんですが、最近は食べられるようになり富山名物化してきたとのこと。丁寧に殻がむかれた白海老を生でちゅろちゅろっと食べましたが、わさびをつけると味がわかんなくなるくらいの淡白な味わい。殻をむいた生よりは殻ごと“かき揚げ”かなんかにしたほうが楽しいかもという印象でした。いや、しかし数口つまんだだけで“白海老”を語るにはまだ早い、とやはり次のチャンスを待つことにして05年夏の富山の夜はふけていきました。


富山の新名物“白海老”(右手前)

翌午前中、復路東京便の登場手続きを済ませて、根本要さんらとともに空港内のレストラン『エレガ』に行きました。そこでみつけた不思議なメニュー“白いカレー”。それは何かとウェイトレスさんにと尋ねると「カレーが白いんです」と。うぅぅ〜ん、それはそうなんでしょうけども、聞きたかったのは具体的な味付け法とかそのようなものだったんですが・・、どっちみちおいしそうなイメージは決して湧きません。まぁしかし食べてみないことには何もわかりっこない、というのが食に対する私の基本スタンスですし、根本要さんにも「食べてみろ、食べてみろ」と促されてはいたんですが、前夜かなり深い時間まで飲んでいたこともあり、お腹はすいてましたが未知のものにチャレンジする精神力がイマイチなく、「次にここに来るときは必ず白いカレーいきますよ」と宣言して、普通のビーフカレーに逃げたのでした、いくじなしだと知りながら。

次週『episode 2』へつづく

2006/12/08


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