Cabrells (カブレルズ)
それぞれ独自の音楽性を持ち、それぞれの経歴を重ねてきた4人のアーティストが共にライブを行なう。ありがちなオムニバス形式ではなく、なんとバンドを組むことになったのだ。

過日”音霊 SEA STUDIO 2011”にて初ライブを行なった「塩でかぶれる男子会」改め「Cabrells(カブレルズ)」は、バンドといっても、アコースティックで、ドラムがいてアンプでデカイ音をジャジャーンと鳴らすわけでもなく、本来はユニットとかグループという言い方が適切なのかもしれないけれど、敢えてバンドと名づけたい理由は、バンドを組むときのワクワクドキドキが今の彼らを内側から刺激し、奮い立たせ、音楽家としての幸福な道へ導こうとしているから。

言い出しっぺはKAN。これまでイベントや雑誌の対談や飲み会などで交流を深めてきた年下のミュージシャンたちに気さくに誘いの声とプレッシャーをかけ、このたびの結成となった。

彼らは積極的に打合せ(と称する飲み会)を重ね、写真撮影に臨み、メールの全員送信&全員返信を繰り返し、ライブでの選曲やアレンジのアイデア、さらにオリジナル曲の作成へと、本格始動の準備を着々と進めている。
最年少のヨースケ@HOMEは「のびのび楽しくやりたいです。一人じゃ絶対できないこと、この4人だからできることをいっぱいやりたい!」と目を輝かせる。

そんなヨースケの曲を練習しながらジョン・Bは「オレの中にあんな陽気なビートはないわ」とつぶやきながら、秋のツアーに向け「いい余韻を残せるように頑張ります」と真摯な表情で、静かに闘志を燃やしているもよう。
カブレルズのオリジナル曲のカギを握る菅原龍平も「幾多のプレッシャーを乗り越え、最高のステージにするために全力を尽くします!」と、じんわり吹き出る冷汗を拭っている。

そして「印象としてはおっとりした感じなんだけど、あんまり見たことないよね、って言われるようなライブをやりたい」とKANは既にいくつものアイデアを掲げ、何かを企んでるようだ。

お客さんが家に帰ってから「あれって、すごくない?」「簡単そうにやってたけど、本当は難しそうだよね」って思い返すようなライブ。それがどんなライブなのか、今は彼らも知らない。けれど、できることはドンドン、できないことはできるようになるまでドンドンドンドン、彼らの挑戦は続いている。その成果を各会場で、ぜひ確かめていただきたい。
(森田恭子)
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